映画のヒロインに学ぶ ~ジーン セバーグ~

ファッション

私は、お洋服と同じくらい映画も大好きです。
ヨーロッパ映画、もっと掘り下げるとフランス映画が特に大好きなんです。

何が好きかといえば、娯楽ではないところ。完全に芸術作品なところがたまらないのです。
監督の個性が光りまくっているので「演じているのが誰なのか?」というよりかは「撮っているのは誰なのか?」という監督重視で作品を選びます。
好きな監督ができるとそこから派生して、他の監督の作品に繋がったり、同じ俳優でも監督が違うと全く別人に見えたり、どんどん世界が広がっていくのも楽しいです。

映画の楽しみ方は色々あるのですが、私の楽しみ方のひとつとして「女優さんを見て楽しむ」というのがあります。
私は、女優さんを美しく撮る監督が好きです。女優さんが抜群の存在感を放っている映画は華があって美しい。難関なフランス映画も女優さんが美しければ、飽きません。

ジーン セバーグ

中学3年生の時に観て、私がカミナリに打たれたくらい衝撃を受けた映画がジャン=リュック・ゴダールの「勝手にしやがれ」です。
この映画のおかげで、私はフランス映画の虜になってしまうのです。

ヒロインを演じているのはジーン セバーグ。

彼女のショートカットは、映画「悲しみよこんにちは」の役名からセシルカットと呼ばれました。

1959年の映画ですが、ジーン セバーグ演じるパトリシアのフレンチファッションのチャーミングなことといったら、もう。
今見ても全然時代を感じさせません。モノクロ映画なので実際の色はわかりませんが、お洋服そのもののデザインから小物使いまで「かわいい」の一言。

シャンゼリゼ通りでパトリシアが新聞売りのアルバイトをしているシーン。
このロゴ入りのトップスの襟が少しハイネックなところとか、小さな巾着バッグを持ってるところとか、本当にかわいいですね。
スポーティーなスタイルにバレーシューズというハズシも効いてます。
彼女はアメリカからの留学生という設定ですが、おしゃれな(その当時の)今どきの大学生って感じが出ていてとっても好きです。

ジャーナリスト志望のパトリシアが、作家の記者会見に出席するときのスタイルがこの大きな襟が特徴的なボーダーのワンピース。
やっぱり、このスタイルもサングラスとグローブという小物使いが効いてます。よく見ると同じ巾着を持ってますね。使いまわしも好感が持てます。
新聞売りのアルバイトとは違って、相手をリスペクトしているという思いがファッションからも伝わってくるスタイルです。
日本のジャーナリスト志望の学生さんも、こんなスタイルで取材に行けたら、さぞかっこいいでしょうね。

お洋服に流行はあります。既製品のお洋服を買って着る以上、流行を追わないつもりでいても、自然とその時代の流行のお洋服を身に纏っているのです。
シンプルなシャツ1枚、細見のデザインが流行っているときもあればゆったりしたデザインが流行るときもある。

でも、その中でも普遍的なスタイルというのは絶対にあって、そこをわかってさえいれば流行に流されることなく、自分の意思で着たいお洋服を自由に選べるようになります。
足首が見える丈のパンツにバレーシューズという組合せがかわいいのは、何十年も昔から変わらない事実だということをジーン セバーグが証明してくれてます。

流行を追うことに疲れたあなた、流行を追わないと恥ずかしいと思っているあなた、古い映画を観てみましょう。
映画の中でヒロインが着ているファッションをじっくり観察してみてください。ステキだと思ったスタイルがあったら、どうしてそう思ったのか考えてみてください。
普遍的であることは決してかっこ悪いことではないのです。流行と普遍的なものをうまく組み合わせることでオリジナルなスタイルが出来上がるのではないでしょうか。

これからGWです。ゆっくりとDVDで映画のヒロインのファッションチェックをしてみるなんていうのもいいかもしれません。

 

MENU

トップページ

友だち追加